ジェフ・ベゾス
ビリオネアの例に漏れず、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは数多くの豪華な家を所有している。
そのうちの1軒に、2つの暖炉を持つ特別な書斎がある。そして、ベゾス氏の書斎と暖炉は同社がラスベガスで開催したカンファレンス「re:MARS」で話題に登った。
re:MARSは、AI、ロボット工学、宇宙がテーマ。これまで毎年、パームスプリングスで開催されていたベゾス氏主催のプライベートかつ招待者限定のロボット工学カンファレンス「MARS」から派生したイベントで、今年はじめて一般公開された。
6月5日、アマゾン幹部でコンシューマービジネス部門CEOのジェフ・ウィルク(Jeff Wilke)氏は、ベゾス氏の書斎について次のように語った。
「ジェフの書斎には、2つの暖炉が向かい合って配置されている。書斎の一方の暖炉の上には「ビルダー(Builders)」の文字が刻まれ、ビルダーによって書かれた本が並んでいる。
反対側の暖炉には「ドリーマー(Dreamers)」と刻まれ、ドリーマーの本が並んでいる。
これは、我々がここ、re:MARSでやろうとしていることを非常にうまく表している。つまり、未来の姿を描くにあたって、ビルダーとドリーマーを融合させるということ」
6月6日にはベゾス氏が登壇し、同じく同社幹部でフォーキャスティング・ディレクターのジェニー・フレッシュウォーター(Jenny Freshwater)氏と対談した。フレッシュウォーター氏はまず、暖炉についてベゾス氏に聞いた。
ベゾス氏の答えは、人間の創造性がいかにして育まれるかについての、ある種の素晴らしい見解だった。
「最初にドリーマーが登場し、インスピレーションを与える」と同氏は語った。ドリーマーには、SF作家も含まれる。例えば、アレクサは「スタートレックのコンピューターにインスパイアされた」と同氏は述べた。
「つまり、まずドリーマーが現れ、ビルダーはドリーマーにインスパイアされる。そしてビルダーが新たな土台を築き、その上でドリーマーはさらに夢を見ることができる」とベゾス氏。
「ドリーマーは、ビルダーが作るまで、夢を見続けることはできない。両者は支え合っている」
だが、ベゾス氏はビルダーとドリーマーは2つの別のグループに分かれているわけではないと述べた。
「誰もがドリーマーであり、誰もがビルダー」
さらに「我々は誰でもその能力を持っている。夢を描き、作り、そして、それを続けていくことは、とても人間らしい能力」と続けた。
ベゾス氏のこのような哲学は、行き詰まりを感じている人にとって、現実的な指針となるだろう。
人生において何か新しいものを作ることが難しければ、次々と手を加えたり、やり直したり、あるいは直前に作ったものを守ることにエネルギーを費やすのではなく、新しい夢を描く時が来ているのかもしれない。
直前に作ったもので今、何ができるのか? 夢を描くことが難しければ、直前に描いた大きな夢を現実にすることに取り組む時が来ているのかもしれない。
腕まくりして、取り掛かろう。